【コーヒー焙煎の失敗例】味が抜ける・薄くなる・フラット・スカスカになる原因と対策

【コーヒー焙煎の失敗例】味が抜ける・薄くなる・フラット・スカスカになる原因と対策

コーヒーの個性を引き立たせる焙煎をしたいのに、

  • 味が抜けている
  • 個性が薄い
  • フラット・スカスカな味
  • (結果として)ただ苦いだけ

と感じることはないでしょうか。

これらの原因は、1つではありません。

そのため、特に焙煎初心者のときは対策がとても難しかったです。

この記事では、考えられる原因を4つ解説します。

  1. 生豆の品質が良くない
  2. 生豆の劣化
  3. 焙煎初期の水抜き(蒸らし)時間が短い
  4. 1ハゼ後の火力が弱い

どれか一つでも欠けるとおいしいコーヒーにならないので、

1から順に検証してみることをオススメします!

目次

生豆の品質

生豆の写真

原料である生豆の品質は、とても重要です。

生豆の品質が良くないと、どんなに上手に焙煎してもおいしいコーヒーにはなりません。

そのため、生豆は品質の良い業者から仕入れることが必要です。

個人で焙煎を楽しんでいる方は、通販で生豆を買うことがほとんどだと思いますが、

仕入れ先によるバラツキは大きいです。

私は焙煎を始めて8年以上かけて、10社以上の業者から生豆を購入してきました。

その中から本当にオススメできる業者を下記の記事にまとめたので、

生豆の購入先の品質にはこだわっていなかったかも…

という方は、ぜひ参考にしてみてください。

生豆の保存方法

良い生豆を使って、焙煎が上手にできても、

自宅での生豆の保存状態が悪いとおいしいコーヒーになりません。

生豆は劣化しづらいんじゃないの?

と思う方。私も以前はそう思っていました。

しかし、買ってすぐはおいしく焙煎できていたのに、

数か月後は味が落ちた…

ということがありました。

そこで、原因を調べて対策実験を行った結果、

真空パックで保存すると劣化しづらくなる

ということがわかりました。

詳細は下記の記事にまとめたので、購入から時間が経った豆の味に悩んでいる方は読んでみてください。

焙煎初期の水抜き(蒸らし)時間

コーヒー生豆は焙煎を進めると、80℃くらいから軟化します。(ガラス転移現象)

さらに焙煎を進めると水分が抜け、

温度150℃、含水量3%程度になると再び硬くなります。

出典:旦部幸博、『コーヒーの科学』 p.185、講談社、2016

この焙煎機に生豆を投入してから150℃くらいまでの工程は、

水抜き」や「蒸らし」と呼ばれています。

水抜きの時間が長すぎると、

味が香りが抜けやすい傾向があると焙煎をしていて感じます。

私の焙煎環境では、6~7分に収めるようにしています。

逆に5分を切るとか短すぎても、えぐみの原因になるので注意です。

この時間は目安で、焙煎機や生豆の種類によって異なると考えてください。
私の焙煎環境:アポロ焙煎機(最大容量500g)、半熱風式、都市ガス

私が検証に使った焙煎機

アポロ焙煎機の写真

他の方の環境ではどうなのでしょうか?

以下の本を参考に、プロのお店の焙煎プロファイルから数値を抜き出してみました。

参考にした本

生豆投入~150℃までの時間

半熱風式熱風式
中央値5分45秒4分15秒
最大値8分15秒7分00秒
最小値4分15秒2分30秒
サンプル数139

焙煎機の方式によって傾向があることに気づいたので、

半熱風式と熱風式で分けてみました。

結果として、半熱風式では中央値5分45秒と私のイメージ通りでした。

一方で熱風式では中央値4分15秒と、短めにしているお店が多いようです。

また、最大値・最小値を見ると、

お店によって大きなばらつきがあることがわかります。

環境や目指す味で異なっているのだと思いますが、

まずは中央値付近を目指して焙煎してみて、

  • 味が抜け気味⇒水抜き時間を短く
  • えぐみが強い⇒水抜き時間を長く

という調整をするのがわかりやすいと思います。

ここまでの話は、生豆の水洗いをせずにそのまま焙煎した場合です。強制排気のついていない焙煎機を使っているなどの理由で、生豆の水洗いをする場合は、水抜きにより長い時間をかける必要があります。詳しくは下記の記事をご参考にしてください。

1ハゼ後の火力

1ハゼ後の火力ですが、絞っていくことが一般的なのではないでしょうか。

しかし、最大容量500gの小型焙煎機を使っている私の環境では、

1ハゼ後、しばらく火力を維持することが重要

ということがわかっています。

以下の焙煎プロファイルをご覧ください。

エチオピア ゲイシャG3の焙煎プロファイル
※データロガーはartisanを使用

プロファイルを見ると、1ハゼと同時に豆温度上昇率(RoR)が大きく下がっていることがわかります。

これは、生豆内部に溜まった水蒸気やガスが放出する際の気化熱によって、

生豆の温度が下がることで生じると考えられます。

参考:旦部幸博、『コーヒーの科学』 p.187-189、講談社、2016

この時に火力を弱めてしまうと、さらに温度が上がりづらくなり、

焙煎時間が長くなってしまいます。

結果として、味が抜け、苦みの強くて甘みを感じづらいコーヒーになる、と考えています。

対策として1ハゼ後の火力はキープし、

RoRが落ち始めるくらいの温度に近づいたら火力を弱める

というプロファイルにすることで、

私の環境では安定した焙煎ができるようになりました。

まとめ

コーヒー焙煎で、

  • 味が抜ける
  • 個性が薄い
  • フラットな味
  • (結果として)ただ苦いだけ

となることの原因と対策として、

以下の内容を解説しました。

どれか一つでも欠けるとおいしいコーヒーにならないので、

1から順に確認・検証していただけると良いと思います。

生豆購入先のまとめ記事

生豆の保存方法まとめ記事

コーヒー焙煎の参考にしていただけると嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

よろしければシェアお願いします!
目次