- 「雫」のメリット・デメリット
- 「遥」のメリット・デメリット
- 「雫」と「遥」どちらを選ぶべきか
おうちコーヒーをレベルアップするため、ドリップポットはこだわりたいところ。
お湯を細く注げるこだわりのポットとして、タカヒロのドリップポット 雫があり、私も愛用しています。
アマゾンなどの通販サイトでも評判は良いですが、
高い買い物なのに実際に試すことができる機会って無いですよね。
しかも2022年には「遥」という新製品まで発売されて、こうなると
どれを選べば良いのかわからない・・・
と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。(私もそうでした
そこで、私がいつものドリップに使用している「雫」の使用感と、
コーヒーに特化した展示会「SCAJ2023」で試してきた「遥」の印象をまとめましたので、
購入を検討されている方の判断材料にしていただければ幸いです!
ほとんどの方はこちらがおすすめ!「雫」
用途がはっきりとある方には最適!「遥」
タカヒロ ドリップポット「雫」のメリット
私の考える「雫」のメリットは、大きく3点あります。
- お湯を安定して細く注げる
→雑味の少ない、クリーンでおいしいコーヒーを抽出できます! - お湯が注ぎ口の真下に落ちる
→抽出ムラ少なく、しっかり成分を抽出できます! - 点滴抽出が容易
→深煎り豆を使ったネルドリップで濃厚な甘みを抽出できます!
順に詳細を説明します。
お湯を安定して細く注げる
なんといっても一番の特徴は、お湯を安定して細く注げることです。
コーヒーをドリップする際、粉に勢いよくお湯を注いでしまうと、
- 粉が舞ってしまうと、雑味などの余分な成分が出てしまう(過抽出)
- 一点にドバっとかかると、お湯抜けが早すぎて成分が十分抽出されない(未抽出)
- お湯のかかる量が位置により変わり、抽出される成分にムラができてしまう
といった悪影響が考えられます。
タカヒロドリップポット 雫を使って細く優しくドリップすることで、
- 深煎りコーヒーで苦みを出にくくする
- クリーンな印象のスペシャルティコーヒーを抽出する
などに対応しやすくなりました。
もちろん他のドリップポットでもお湯を細く注ぐことはできますが、
そもそも注ぎ口が細いので特別な技術は必要なく、
安定して細く注げることがこの「雫」の大きな特徴と言えます。
結果として、雑味の少ない、クリーンでおいしいコーヒーを抽出しやすくなります。
特に、スペシャルティコーヒーの抽出に最適です。
お湯が注ぎ口の真下に落ちる
ムラ無くお湯を注ぐため、狙った場所にお湯が落ちることが望ましいです。
タカヒロのポットは、注ぎ口の真下にお湯が落ちます。
上の写真はカリタ製 細口ポットとの比較ですが、
タカヒロ 雫の方が真下にお湯が落ちていることがわかるかと思います。
カリタのポットも長年私が使用していたもので、特に不満には思っていなかったのですが、
タカヒロ 雫と比較したら差がよくわかりました…!
これにより、
抽出ムラ少なく、しっかり成分を抽出しやすくなります!
点滴抽出が容易
点滴の様子を動画にしてみました。
クリックで動画スタート
(動画に自分が写らないように)少し腕を伸ばして点滴ドリップしてみましたが、
余裕でできました。やっぱりやりやすいです。
深煎り豆を使ったネルドリップで濃厚な甘みを抽出する
といったチャレンジもしやすくなります。
2013年に惜しまれつつも閉店した、表参道の名店「大坊珈琲店」の大坊勝次さんが、点滴ドリップをされていました。私も一度だけお店に行ったことがあるのですが(有名店だと知らずに!)、大坊さんのコーヒーの味には大変驚きました。めちゃめちゃ濃くて、めちゃめちゃ甘いんです。黒蜜のような印象さえありました。点滴ドリップだけで大坊さんの味が出せるわけではないですが、レシピの幅が広がることは間違いないです。
タカヒロ ドリップポット「雫」のデメリット
「雫」のデメリットは、メリットの裏返しです。
つまり、
- お湯を太く注ぐことができない
ということが、欠点となります。
しかし、運用上困ることはありませんし、
勢いよく注ぐためには別のポットで代用できます。
以下で詳しくご紹介します。
お湯を太く注ぐことができない
お湯を細く注ぐことに特化したが故の弱点なのですが、
お湯を太く(勢いよく)注ぐことが苦手です。
そのため、10人分以上といった大人数分の抽出には向かないかと思います。
私は、大量のお湯を一気に注ぎたい場合は、
オシャレで沸くのも早い!
ラッセルホブスの電子ケトルで代用しています。
実際に、水100ml注ぐのにどのくらいの時間がかかるか実験してみました。
ケトル名 | 水100ml注ぐのにかかった時間 |
タカヒロ 「雫」 | 7秒 |
カリタ 細口 #52055 | 4秒 |
ラッセルホブス 電気ケトル | 2秒 |
「雫」はやっぱり一番遅かったです。
逆にラッセルホブスの電子ケトルは爆速です。w
いつもこの電子ケトルでお湯を沸かして、「雫」に移し替えて使用していますので、
この二つがあれば用途によって使い分けることができます!
といっても、「雫」でカバーできない杯数をドリップすることはほぼ無いです。
以上、タカヒロ「雫」の欠点についてあげましたが、
細く安定したお湯を注いで、至高の一杯を入れたい
という一番の目的は達成できており、
ドリップポットとして致命的な欠点はありません。
一度買ってしまえばずっと使えるものなので、
ワンランク上のコーヒーを味わえるようになった満足度は高いです。
タカヒロ ドリップポット「遥」とは?
2022年に新発売された「遥」について説明します。
まずは下記の図をご覧ください。
違いがお分かりいただけただろうか?
そう。注ぎ口です。注ぎ口が長いのです。
タカヒロ ドリップポット「遥」のメリット
ノズルがなが~い「遥」さん。
なぜそのような形になっているのでしょうか?
それは、2つのメリットがあるからです。
粉の近くからお湯を注ぐことができる
まずは下記の図をご覧ください。
そうです。このような注ぎ口の形状がゆえに、
粉の近くまでノズルを近づけることができるのです。
これによって、より静かにお湯をコーヒーの粉に注ぐことができます。
よりクリーンな味を出すため、
スペシャルティコーヒー界隈で要望があるのだとか。(タカヒロブース説明員さん談
実際に試してみると確かに、ドリッパーに注ぎ口が当たることなく、
低い位置から注ぐことができました。
遠くにお湯を注ぐ時もドリッパーに当たらない
次なる「遥」のメリットは、こちらの絵の通り。
もはや言葉はいらないでしょう。
実際にドリッパーの端まで注いでも、
注ぎ口とドリッパーが干渉することはありませんでした。
セラフィルターのように、口の広いドリッパーに「遥」は最適です!
セラフィルターの詳細はこちら
「雫」仕様もある
前半で紹介した通常のタカヒロコーヒーポットのように、
- 注ぎ口が細くなっていない通常版
- 注ぎ口が細くなっている「雫」版
の2種類が、「遥」にも用意されています。
これは、本記事の前半でご紹介した「雫」の項目を見ていただいて、
同じ基準で判断いただければ問題ないかと思います。
タカヒロ ドリップポット「遥」のデメリット
今までに無い視点で改良され、
スペシャルティコーヒーのドリップに適した「遥」。
実際に手にしてみると、やはりデメリットも感じました。
2点、紹介します。
慣れないとお湯がドバっと出てくる
注ぎ口が長いがゆえのデメリットです。
ポットを傾けると、長い注ぎ口を満たした後、お湯が出てきます。
注ぎ口が長い分、いつも使っている「雫」の感覚よりもワンテンポ遅れてお湯が出てくる印象でした。
ただし、これは慣れの問題だと思うので、
使用していればすぐに問題なく使えるようになると感じました。
ネルドリップには向かない?
どういうことかというと、
片手でネルを持った状態でドリップしようとすると、
注ぎ口が長いため、ポットを持っている手を少し遠ざける必要があります。
ですのでネルドリップのように、
片手でドリッパーを持って使用する場合は「遥」ではなく通常の「雫」の方が良いです。
まとめ:通常の「雫」と「遥」どちらを選ぶべきか?
最後に、どのように「雫」と「遥」を選べば良いか、まとめます。
通常のタカヒロ「雫」がおすすめの方
以下のような方には、通常の「雫」がおすすめです。
- お湯を安定して細く注げるポットが欲しい
→クリーンで雑味が少ないコーヒーを抽出しやすくなります! - 使いやすくて、長く使えるプロ級のドリップポットが欲しい
→初心者の方でも簡単に扱えます!
ほとんどの方は、「雫」で不満に思うことは無いと思います。
初めて使っても違和感なく注ぐことができ、
性能も申し分ないので通常の「雫」が間違いないです。
- お湯を安定して細く注げる →雑味の少ない、クリーンでおいしいコーヒーを抽出できます!
- お湯が注ぎ口の真下に落ちる →抽出ムラ少なく、しっかり成分を抽出できます!
- 点滴抽出が容易 →深煎り豆を使ったネルドリップで濃厚な甘みを抽出できます!
- お湯を太く注ぐことができない(ラッセルホブスで代用可!
細く安定したお湯を注いで、ワンランク上のコーヒーを
唯一の欠点として、太いお湯を注ぐことはできないので、
ラッセルホブスの電子ケトルもあると太いお湯を注ぐ用途に重宝します。
電子ケトルもお探しの方にはおすすめですね。
キッチンで見えていてもオシャレ
タカヒロ「遥」がおすすめの方
以下のような、確固たる使い道がある方には「遥」がおすすめです。
- とにかく粉の近くから静かにお湯を落としたい
- セラフィルターなど、口の広いドリッパーに使いたい
- 粉の近くからお湯を注ぐことができる
- 遠くにお湯を注ぐ時もドリッパーに当たらない
- 「雫」仕様もある
- 慣れないとお湯がドバっと出てくる
- ネルドリップには向かない?
確固たる「遥」の用途をお持ちの方向け
本記事がタカヒロ製ポットを選ぶ参考になれば幸いです。
なお、サイズが0.5Lと0.9Lがありますが、
基本的には0.9Lをおすすめします。
持ちやすいのと、0.5Lだと対応杯数が少ないかなと思ったからです。
もちろん、小さいドリップポットが欲しい!
という場合であれば0.5Lを選んでいただいて全く問題ありません。
ドリップポットにこだわったら、水にもこだわりたいところ。
浄水器を使うと、カルキ臭さがなくなり、後味がクリアになります。
下記の記事で詳しくまとめたので、ぜひチェックしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!