趣味で自宅焙煎を8年以上やっています、でぃーんです。
コーヒーにハマって、いろいろなコーヒーを体験し、
コーヒーは焙煎してからの鮮度が大切
ということがわかってくると、
コーヒー焙煎が自分でできれば、いつでも煎りたてが飲めるのになぁ…
と考える方もいるのではないでしょうか。
そして自宅で使える焙煎機を探してみると、
カルディ製の焙煎機(KALDIロースター)を見つける方、多いと思います。
私も最大焙煎量250gのカルディ焙煎機(電動フールセット)を5年間使用し、
コーヒー焙煎のノウハウを独学で学びました。
でも、コーヒー焙煎の経験が無い方は、
- 海外(韓国)製だけど、壊れやすかったりしないか?
- 初心者でもおいしいコーヒーが焼けるのか?
- カルディ焙煎機もたくさんあって、どれが良いのかわからない!
と疑問に思うと思います。
結論、カルディ焙煎機(電動フールセット)は、
5年間使っても壊れなかったですし、
おいしいコーヒーが焼けていました。
価格も焙煎機の中ではリーズナブルなので、
これから本格的に焙煎を始めたい初心者の方にピッタリの焙煎機です。
この記事では、
- カルディ焙煎機の概要(メリット・デメリット)
- 必要な道具
- 焙煎方法とプロファイル例
- 自家焙煎するメリット
について解説します。
コーヒー焙煎は奥が深く、
一朝一夕でおいしいコーヒーが焙煎できるわけではありませんが、
最短で納得いく焙煎ができるよう、
5年間使い倒して得られた全ノウハウを公開します。
おうち焙煎仲間が少しでも増えると嬉しいです!
使用する焙煎機
カルディ焙煎機(電動フールセット)の概要
まずは簡単にスペックをご紹介します。
- 最大焙煎量:生豆250g(焙煎後200g前後)
- サイズ:30 x 20 x 16 cm
- 本体重さ:4kg
- 内容物
- 本体
- アナログ温度計
- サンプラー
- ホッパー
- チャフ受け
- 電源ケーブル
最大焙煎量250gなので、焙煎後は200g前後になります。
焙煎すると、水分などの成分が揮発するので、生豆の状態から重量が1.5~2割減ります。
この生豆容量であれば、
自宅キッチンの換気扇の下で焙煎すれば、
排煙は問題ありません。
また、カセットコンロにも乗せられるサイズ、
片手で持つことができる重さなので、
取り扱いは簡単ですし、収納にも困りません。
内容物も十分で、コンロさえあれば焙煎が可能です。
カルディ焙煎機(電動フールセット)のメリット
メリットをまとめると以下のようになります。
- 電動なので楽、焙煎に集中できる
- ドラムの周りを覆うフードがあり、焙煎が安定する
- 温度計がついており、焙煎プロファイルを記録可能
- ガス式なので、火力の自由度が高い
- 連続焙煎が可能
- 家庭用としてちょうどいい焙煎量
順にご説明します。
電動なので楽、焙煎に集中できる
手網や手鍋焙煎、手回しの焙煎機では、
10分以上手を動かし続ける必要がありますので、
数バッチ続けて焙煎するのは、なかなか大変です。
その点、電動の焙煎機は楽ですし、
焙煎に集中することができる点がとても良いところです。
ドラムの周りを覆うフードがあり、焙煎が安定する
安価な焙煎機だと、ドラムがむき出しのものも多いですが、
このカルディ焙煎機(電動フールセット)は、
ドラムの周りをステンレスのフードが覆う構造となっています。
これにより、
外気の影響を受けづらく、焙煎が安定します。
庭やベランダなど、室外での焙煎は風や外気の影響が大きいのでオススメしません。
温度計がついており、焙煎プロファイルを記録可能
温度計が付属しているため、
1分に1回、温度を読み取って記録すれば、
焙煎プロファイルを残すことができます。
次の焙煎の設計を行うため、焙煎プロファイルを記録することは必須です。
ガス式なので、火力の自由度が高い
家庭のキッチンコンロや、
カセットコンロで焙煎が可能なガス式のため、
火力を無段階に細かく調整することができます。
また、火力不足で悩むことは、まずありません。
温度調整したあとのレスポンスも良いです。
これは電気式の小型焙煎機と比較して、大きいメリットです。
連続焙煎が可能
これもガス式のメリットですが、
1バッチ終了後、続けて2バッチ目を焙煎することができます。
1日に異なる産地の豆を焙煎することも多いと思いますので、
意外とできないと困ります。
電気式の場合、焙煎機によっては、
完全に冷ましてから次の焙煎を始める必要があります。
家庭用としてちょうどいい焙煎量
焙煎機は、大は小を兼ねません。
焙煎機が大きすぎると、少量焙煎するのは難しくなります。
もちろん、小も大を兼ねません。
小さすぎても、何度も焙煎しなければならず手間がかかります。
生豆250g、焙煎後200gという容量は、
家庭用として消費するのにちょうど良いです。
カルディ焙煎機(電動フールセット)のデメリット
次に、デメリットを並べます。
- チャフが飛び散る(特に冷却時)
- 排気機能が付いていない
順に解説します。
チャフが飛び散る(特に冷却時)
コーヒーを焙煎すると、
生豆についている薄皮が剥がれてきます。
この薄皮のことを、「チャフ」といいます。
豆を取り出し、冷却する際に特に飛び散ります。
掃除機で簡単に吸い取れますが、
床などに飛び散らせたくない場合は、
専用の焙煎豆クーラーを導入することをおすすめします。
排気機能が付いていない
業務用焙煎機や、
ワングレード上の小型焙煎機では、
発生する煙、チャフを強制的に排出する機能がついています。
もちろん、この排気機能はあるに越したことはありませんが、
導入に数十万円かかりますので初心者向けではありません。
いつか必ず排気機能のある焙煎機を購入する!
金に糸目はつけない!!
そんな方は、最初からお金をかけて排気機能付きの小型焙煎機を購入しても良いと思います。
焙煎機の選び方は以下の記事で紹介しています。
ただし、排気機能がなくても、
焙煎前に生豆を洗うことで対策が可能です。
これに関しては、後の焙煎方法の項目で詳細をご説明します。
必須な道具
カルディ焙煎機(電動フールセット)での焙煎に必須な道具についてご紹介します。
必須の道具
- カセットコンロ(熱源)
- 軍手
- 焙煎豆クーラー(ザルと扇風機で代用可)
カセットコンロ(熱源)
焙煎機の熱源は、自分で準備する必要があります。
キッチンのコンロで全く問題ありません。
オール電化のご家庭でも、
カセットコンロがあれば焙煎が可能です。
私はオール電化だったので、イワタニのカセットコンロを使用していました。
使用したカセットコンロ
対応するガスボンベ(まとめて買うとお得)
軍手
焙煎機は熱くなりますので、
何か操作をする場合は軍手が必要です。
焼き上がり時には焙煎機を手で持って、
コーヒー豆を焙煎機から出す必要があるので、
軍手は必須です。
焙煎豆クーラー
焙煎し終わった豆は、放っておくと焙煎が進んでしまうので、
すぐに冷やす必要があります。
私は大きめのザルに焙煎が終わった豆を取り出し、
扇風機を当てながら撹拌して冷やしていました。
床にチャフが飛び散りますが、後で掃除機で吸っていました。
- 床を汚したくない
- 掃除が面倒
という方は、迷わず焙煎豆クーラーを導入することをおすすめします。
あると便利な道具
必須ではないですが、
あると便利な道具な道具の紹介です。
焙煎の記録を詳細に行うための道具で、
焙煎のクオリティを上げるために役立ちます。
あると便利な道具
- パソコン(プロファイル記録用)
- 放射温度計(豆温度の測定用)
パソコン
焙煎をしながら温度や火力をメモするために使用します。
エクセルなどの表計算ソフトを使用することで、
リアルタイムでグラフを作れるのがメリットです。
紙のメモ用紙でも代用できるので、必須の道具ではありませんが、
過去のデータとの比較もリアルタイムでできるので、あると便利です。
放射温度計
付属の温度計は豆に触れるわけではないので、
豆温度を直接測定することができません。
そこで、非接触で温度を測定可能な放射温度計を使うことで、
コーヒー豆の温度を測定することができます。
書籍などの焙煎プロファイルを参考にする場合、
豆温度で語られることが多いので、あると便利です。
また、豆がどういう状態にあるのかを考えるのに重宝します。
焙煎に慣れてきたころに、必要に感じたら導入すると良いです。
レーザーポインター付きが便利
焙煎方法とプロファイル
付属の温度計:ドラム内温度
放射温度計:豆温度
カルディ焙煎機(電動フールセット)を使用した焙煎方法について、
具体的なステップをご紹介します。
自分でコーヒー焙煎するからには、
試行錯誤して自分好みのコーヒーをつくるのが最高に楽しいです。
とはいえ基本となる方法を知っていると大外れしないので、
参考にしていただければと思います。
火力は、イワタニ カセットフー BO(ボー) EXのメモリです。
温度は、付属の温度計の温度(ドラム内温度)を示します。
時間は、生豆投入を0としてカウントします。
5年分の焙煎ノウハウ
排気が付いていない焙煎機の場合、必要な工程です。
これをやらないと、焙煎が進むとチャフが大量にはがれ、
コンロやドラムの中で焦げます。
結果として、いぶり臭や焦げた味のコーヒーになってしまい、
産地の特性を出しづらくなってしまいます。
この「生豆を洗う」ことに気づいたことが、
私がこの焙煎機を使う中で一番のイノベーションでした。
具体的な洗い方については、
下記の記事で詳しくまとめたのでそちらをご覧ください。
- 火力:2.8
- 温度:室温→200℃
生豆を洗うのと同時に、焙煎機の暖機運転を行います。
ドラムを回転させながら、弱火で20分以上かけて行います。
約200℃になったら火を消し、120℃程度まで冷まします。
火力2.8
- 火力:2.8
- 温度:120℃
- 時間:0分
チャフ受け+温度計をホッパーに付け替えて、
素早く生豆を投入します。
投入量は200~250gくらいだと安定して焙煎できます。
生豆を投入したらすぐに、火力2.8で火をつけます。
ホッパー装着
- 火力:2.8
- 温度:90℃
- 時間:1分
中点とは、生豆を投入後、温度が下がり切って上昇に転じる温度を指します。
焙煎に関する本などを読むと、よく記載されています。
ただし、この温度自体には特別な意味は無いと思っています。
あくまで、焙煎がいつもと同じように進んでいるな、
と確認する一つの目安と考えれば良いと思います。
- 火力:2.8~3
- 温度:~175℃
- 時間:14分
生豆の水分を抜いていく工程です。
蒸らしと呼ばれることもあります。
だいたい、温度が5~10℃/分の上昇率になるよう、
火力を適宜調整してください。
この工程で時間をかけないと、エグ味・雑味を感じるコーヒーになってしまいます。
なお、本などで紹介される排気機能付きの焙煎機を使うよりも、長い時間かけています。
生豆を水洗いした水を飛ばす時間も入っているため、
と理解しています。
- 火力:3.1
- 温度:225℃
- 時間:20分
パチッパチッと、大きな音を立てて豆がハゼます。
これが1ハゼです。
だいたい1分~2分ほど、1ハゼが続きます。
1ハゼが起きているとき、火力は下げないでください。豆から水分が蒸発し、気化熱で温度が下がるため、火力を下げてしまうと焙煎が進みづらくなります。
この1ハゼ以降の火力や時間のかけ方は、
味に大きく影響します。
特にここで時間を掛けすぎてしまうと、
甘みが出ない、苦いだけのコーヒーになりがちです。
- 火力:3.0
- 温度:245℃
- 時間:24分
ピチ、ピチ…と、1ハゼより高い音で豆がハゼます。
これが2ハゼです。
温度上昇が早すぎる場合は、少し火力を弱めると良いです。
- 火力:0
- 温度:-
- 時間:お好み
お好みの焙煎度になったら、
ザルに豆を取り出し、扇風機で冷却して完成です。
※焙煎豆クーラーを導入している場合、そちらで。
豆を取り出した後は、冷めるまでドラムを回したままにしておいてください。焙煎機が変形しないようにするためです。
連続して次のバッチを焙煎する場合、
120℃程度まで冷えたらSTEP 3から同様に焙煎すればOKです。
焙煎度と味の目安
- 1ハゼ終了程度:ミディアムロースト(中浅煎り)。酸味が強め。
- 1ハゼ終了後、30秒~1分:ハイロースト(中煎り)。やや酸味が和らぐ。
- 2ハゼ開始直後:シティロースト(中深煎り・浅め)。酸味は少し残り、苦みが出はじめる。
- 2ハゼ後30秒ほど:フルシティロースト(中深煎り・深め)。酸味はほぼなく、苦み・コク主体。
- 2ハゼ終わり~:フレンチロースト、イタリアンロースト(深煎り)。火を入れすぎると発火のおそれもあるので注意。
焙煎度は人によって表現が異なりますが、
私はおおむね上記のように理解しています。
オススメはシティローストくらいを狙って試してみて、
好みの焙煎度を見つけにいくと良いです。
個人的には、フルシティローストを狙って、
苦みが際立ちすぎないかつ甘み・コクが最大限感じられるようにするのが好きです。
焙煎した豆
カルディ焙煎機(電動フールセット)を使って焙煎した豆の写真です。
焼きムラ無く、きれいに仕上がっています。
他のおすすめ家庭用コーヒー焙煎機
家庭用小型コーヒー焙煎機は大きくわけて、
- 全自動・電気式
- 電動・ガス式(排気なし)⇐本記事のKALDI焙煎機
- 電動・ガス式(排気あり)
という3タイプがあります。
他のおすすめ家庭用コーヒー焙煎機に興味がある場合は、
下記の記事を参考にしてみてください。
コーヒー生豆の購入方法
どんなに良い焙煎機を使って、
どんなに良い焙煎をしても、
生豆の品質が悪ければおいしいコーヒーにはなりません。
生豆は通販で買うことができますが、
業者によって品質に差があるので、
信頼できる生豆販売業者を見つける必要があります。
これから焙煎を始めようと思っている方は
どうやって良い業者を見つければいいの?
という状態だと思いますがご安心ください。
品質の良い生豆がそろっている業者を、以下の記事にまとめました。
ぜひ参考にしてみてください。
自宅で焙煎することのメリット
自分で焙煎をすると、以下のようにたくさんのメリットがあります。
ココが良いよ自宅焙煎
- 焙煎したてのコーヒーが飲める
- 色々な生豆を仕入れて試せる
- 好みの焙煎度にできる
- コーヒーの単価が安くなる
- とことん追求できる趣味になる
詳細は以下の記事にまとめたので、興味がある方はご覧ください。
まとめ
最大焙煎量250gのカルディ焙煎機(電動フールセット)について解説しました。
記事内で紹介した道具をおさらいします。
本日の主役:焙煎機
熱源:カセットコンロとボンベ
チャフの飛び散り対策:焙煎豆クーラー
豆温度測定用:放射温度計
ここまでそろえれば、本格的な趣味として、
コーヒー焙煎を楽しむことができます。
家庭でのコーヒー焙煎がもっともっと広まれば、
個人で買える良質な生豆の購入先も増えるのでは!
と期待しています。(割と本気)
もし、もっと手軽に焙煎をしてみたい!
という方は、電気式の全自動家庭用焙煎機
ダイニチ カフェプロ MR-F60A
がオススメです。以下の記事にしたので、ご興味がありましたらご覧ください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!