普段はドリップでコーヒーを入れている方も、

見た目がオシャレなサイフォン式コーヒーを自宅で入れられないか…?
と考えたことはないでしょうか。
でも、こんな理由で導入を迷っていませんか?
- サイフォンでコーヒーを入れるのが難しそう
- 器具を片付けるのが大変そう
- ドリップと比べて味が変わらないのでは
私もそう思って導入に踏み切れずにいました。
それでも「自分でサイフォンを使って抽出してみたい!」という気持ちが勝り、
思い切って購入して試してみると、以下のような感想に変わりました。
- 1杯目からおいしいコーヒーが入れられた
- 片付けは苦にならず、ほぼ毎日使っている
- ドリップでは出せない香り、味が出せた
このようにポジティブな感想を持てたのは、熱源にビームヒーターを選んだことが大きな理由です。
本記事では、サイフォン式コーヒーの原理を簡単におさらいした後、
実際に使ったハリオ(HARIO)のサイフォンとボンマック(BONMAC)のビームヒーターについて、
特徴・メリット・オススメの入れ方をレビューします。
サイフォンを自宅に導入するか迷われている方は参考にしてみてください!
正直、こんなに使う度にワクワクするコーヒー器具はなかなか無いと思います!
コスパ最強!ハリオのサイフォン
オシャレで絶妙な火加減!ボンマックのビームヒーター
サイフォン式コーヒーの原理


サイフォン式コーヒーの原理には、水蒸気が重要な役割をしています。
下ボール(フラスコ)を加熱すると水が水蒸気に変わり、下ボール内の気体の体積が膨張します。
水が100℃で水蒸気になると、体積は約1700倍にもなります!
この膨張によって、お湯が上ボール(ロート)に移動し、コーヒー粉と接触して抽出が始まります。
その後、下ボールを冷やすと、水蒸気が水に戻り、気体の体積が縮小します。
この縮小によって、お湯が下ボールに移動し、抽出が完了します。
より正確には、空気や水蒸気の温度・圧力変化を含めて考える必要がありますが、
サイフォン式コーヒーにおけるお湯の移動は、水と水蒸気の体積差が主要因です。
ハリオのサイフォン「テクニカ」の特徴


私の使用しているハリオのサイフォン「テクニカ」について、特徴を解説します。
ハリオ テクニカ TCAR-2 内容物


ハリオのサイフォンは、サイフォン本体、ろか器、アルコールランプが付属されています。
アルコールは付属していないので、使用する場合は薬局などで購入する必要があります。
撹拌用の道具


撹拌用の道具としては、計量スプーンが付属しています。
ただ、
サイフォンといえば竹べらで撹拌したい!
という強い思いがあったので、私はリーズナブルなハリオ製竹べらBA-15を使用しています。
ハリオのサイフォンを実際に使用してみて、以下のようなメリット・デメリットがあると思いました。
メリット | デメリット |
---|---|
サイズの選択肢が多く、高コスパ フィルターのバリエーションが多い 交換部品が購入可能 | アルコールランプの風よけがぐらつく |
順に解説します。
テクニカのメリット
サイズの選択肢が多く、高コスパ
ハリオのサイフォン「テクニカ」は、3種類のサイズが用意されています。
型番 | 容量 | オススメ用途 |
---|---|---|
TCAR-2 (2人用) | 240mL | 1人で飲む |
TCAR-3 (3人用) | 360mL | 2人で飲む |
TCAR-5 (5人用) | 600mL | 4人で飲む、作り置き |
実際は、2割ほどコーヒー粉にお湯が残るので、例えばTCAR-2だと最大200mLほどのコーヒーができあがります。
1人で飲むのに使う場合、TCAR-2がちょうど良いですが、2人で飲むには少し少ないので、
2人で飲むことが多い方はTCAR-3がオススメです。
大人数で飲む、あるいはアイスコーヒーなどを作り置きする場合、TCAR-5がオススメです。
大きいサイズで少量のコーヒーを入れるのは、撹拌がやりにくいので注意!
ハリオ以外のメーカーだと、コーノ式のサイフォンが有名ですが、
ハリオ製サイフォンの方がリーズナブルに購入できるのでオススメです。
フィルターのバリエーションが多い
ハリオのサイフォンには、使用できるフィルターが3種類あります。
1つ目は、付属品の布(ネル)フィルター。目詰まりするようになったら変え時です。
2つ目は、サイフォン用のペーパーフィルター。よりスッキリした味わいにできます。
3つ目は、金属フィルター。微粉を通してしまうので、私はあまりコーヒー抽出には使いません。
お茶や紅茶をサイフォンで抽出するのに使用しています。
交換部品が購入可能
サイフォンはガラス製品なので、割ってしまうこともあるかと思います。
でも、交換部品が発売されているので万が一の際も安心です。
以下に製品ごとの交換部品の型番を表にしたので、購入の際は参考にしてみてください。
ハリオ「テクニカ」交換部品の型番と購入ページまとめ
型番 | 上ボール | 下ボール | スタンド | フタ |
---|---|---|---|---|
TCAR-2 | BU-TCA-2 | BL-TCA-2 | ST-TCA-2-3 | F-TCA-2-3 |
TCAR-3 | BU-TCA-3 | BL-TCA-3 | ST-TCA-2-3 | F-TCA-2-3 |
TCAR-5 | BU-TCA-5 | BL-TCA-5 | ST-TCA-5 | F-TCA-5 |
テクニカのデメリット
ハリオのサイフォン「テクニカ」は、必要十分な機能・付属品がそろっており、大きなデメリットはないと考えています。
しいて言えば、アルコールランプの風よけの立て付けがやや悪く、若干ぐらつきます。
ただ、ビームヒーターを使って抽出する場合、アルコールランプは使わないので問題になりません。
コスパ最高のサイフォン!
ボンマックのビームヒーター「BMBH-350N」の特徴


ボンマックのビームヒーターは、「ラッキーコーヒーマシン」という日本企業が発売している器具です。
一般的な家庭用の100V電源で使用可能です。
ボンマックのビームヒーター「BMBH-350N」のスペック
項目 | 仕様 |
---|---|
寸法 | 幅200×奥行220×高さ140mm |
重量 | 2.3kg |
電源 | AC 100V (50Hz/60Hz共用) コード長さ1.3m |
消費電力 | 350W |
付属品 | ハロゲンランプ2個(予備含む) |
ビームヒーターは、ハロゲンランプから出る光を水が吸収して加熱される、という輻射熱の原理を使用しています。
そのため、火を使う方法とは異なる特徴があります。
ビームヒーターのメリット・デメリットを下記にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
抽出に適した温度調節が可能 オシャレ! 火を使わないので手軽・安心 | 価格が高い |
順に解説します。
BMBH-350Nのメリット
抽出に適した温度調節が可能


ボンマックのビームヒーターは、正面に付いたつまみを回して温度を調整します。
加熱・抽出・保温に適したつまみの位置が色分けされていて、初心者でも使いやすいです。
サイフォンの抽出に適した温度帯に合わせて設計されているので、おいしいコーヒーを抽出しやすいのが大きなメリットです。
オシャレ!


光でコーヒーを加熱するビームヒーターならではの特徴、オシャレ!
抽出中はもちろん、抽出したコーヒーを保温するだけでもオシャレです。
使っていて気分が上がるので、積極的に使いたくなるコーヒー器具です。
火を使わないので手軽・安心


アルコールランプと異なり、ビームヒーターは火を使いません。
また、アルコールを補充するといった手間もありません。
そのため、お手軽に使用することができます。
また、火が燃え移るなどの心配もなく、安心して使用することができます。
BMBH-350Nのデメリット


ビームヒーターを導入する一番のハードルは、価格だと思います。
Amazonなどでビームヒーターを調べると、実態のわからないメーカーの製品も出てきますが、
加熱を伴う製品なので、信頼性の高いメーカーの器具を使うのが無難だと考えています。
こんな情報もあったのでご注意を。
ボンマックのビームヒーターは、「ラッキーコーヒーマシン」という日本企業が発売している器具で、購入から1年の保証がついています。
また、ハロゲンランプの予備もついてくるので、その点も安心です。
安心と実績のボンマック
他の熱源との比較
サイフォンの熱源とその特徴を表にまとめました。
アルコールランプは温度調節ができませんが、サイフォンに付属するので追加料金はかかりません。
バーナーは温度調節は可能ですが、サイフォン抽出には強すぎる火力にもできてしまうので、慣れが必要です。
ビームヒーターはサイフォンに適した温度調整が可能で見た目が最高にオシャレです。ただし、価格が高いデメリットがあります。
私はコーヒーのクオリティと見た目を重視してビームヒーターを選びましたが、オシャレにおいしいコーヒーを入れられて良かったと思っています!
サイフォン式コーヒーの入れ方
基本レシピ
- コーヒーの粉:13.5g(中粗挽き)
- お湯:220ml
- 撹拌:2回
- 浸漬時間:第一撹拌から50秒


上ボールにろか器を入れて、ろか器の金具を上ボールの先端にひっかけます。
ろか器の先端についている銀の球は、沸騰するお湯の泡の核になります。
この球を入れておかないと、お湯が突沸するのでご注意ください。


下ボールに、ケトルなどで沸騰させたお湯を入れます。
このとき、下ボールの外側についた水はふき取ってください。
ビームヒーターは水からお湯を沸かすことができないので、ご注意ください。


上ボールにコーヒーの粉13.5gを入れます。
その後、下ボールに上ボールを入れて火力を最大にします。
このとき、下ボールと上ボールの間にすきまを作ってください。


大きな泡が連続して出てくるようになったら、上ボールを下ボールに差し込みます。
最後まで力いっぱい差し込むのではなく、軽く入れ込むくらいで十分です。
徐々にお湯が上ボールに移動するので、お湯が上がり切るまで待ちます。
もし、よりスッキリした味に仕上げたい場合、コーヒーの粉を最初から入れずに、
お湯が上がり切った後にコーヒーの粉を入れると良いです。


お湯が上がり切ったら、火力を中にして第1撹拌を行います。
この時、タイマーをONにして時間を測ると抽出レシピの調整に役立ちます。
第1撹拌は、お湯とコーヒーの粉がしっかり混ざるように強めに10秒ほど混ぜます。
もしできあがったコーヒーが味が出きっていない場合はより強めに、雑味が出た場合は弱めにすると良いです。


撹拌後、火力を「保温」と「抽出」の間くらいにセットします。


第1撹拌の初めから50~60秒ほど経ったら、火力をOFFにして第2撹拌を行います。
第2撹拌は強くしすぎると雑味が出やすいので、優しくほぐすようなイメージで数回かき混ぜます。


下ボールにコーヒーが落ち切ったら完成です。


上ボール:コーヒーの粉を捨て、ろか器を外して洗剤で洗います。
ろか器:コーヒーの粉を水で流し、たわしで残った粉を取ります。その後、水が入ったタッパーで冷蔵庫に保管します。
下ボール:コーヒーをカップに注いだ後、洗剤で洗います。
以上がサイフォン式コーヒーの入れ方です。
味の調節方法をまとめると、以下の通りです。
- 豆の量、挽き目
- 水の量
- 粉を入れるタイミング
- 撹拌の強さ
- 浸漬時間
サイフォン式コーヒーの入れ方は、YouTubeでも色々な動画があります。
例えば、以下のUCCの動画がわかりやすいので参考にしてみてください。
ドリップとサイフォンの違い


ドリップとサイフォンについて、違いをまとめてみました。
ドリップ | サイフォン | |
---|---|---|
抽出方式 | 透過式 | 浸漬式 |
香味 | スッキリした味わい | 香り高く、雑味少ない |
取り扱い | 簡単 | 慣れが必要 |
抽出方式について、ドリップは透過式、サイフォンは浸漬式という違いがあり、その違いが香味に影響しています。
ドリップは、お湯の温度や抽出時間で味が変わるので一概には言いづらいですが、
スッキリした味わいになりやすいと思います。(たくさん成分を出そうとすると、雑味も出やすい)
一方でサイフォンは、ドリップと比べて香りがとても強くなるのが特徴です。
また、豆の個性も出しやすいにも関わらず、雑味が少ない印象です。
私はサイフォンの香りと味にドハマリしてしまい、ほぼ毎日サイフォンでコーヒーを楽しんでいます。
まとめ
一般家庭では導入するハードルが高いイメージのある、サイフォン式コーヒーについて解説しました。
私はコーヒーが趣味になってから、サイフォンを導入するまでに10年以上経ってしまいましたが、
道具とレシピさえ守れば1杯目からおいしいコーヒーが入れられたので、もっと早く導入すれば良かったと思っています。
サイフォン本体のオススメは、以下のメリットがあるハリオ「テクニカ」です。
サイズの選択肢が多く、高コスパ
フィルターのバリエーションが多い
交換部品が購入可能
コスパ最強!ハリオのサイフォン
また、ビームヒーターのオススメは、以下のメリットがあるボンマック「BMBH-350N」です。
抽出に適した温度調節が可能
オシャレ!
火を使わないので手軽・安心
オシャレで絶妙な火加減!ボンマックのビームヒーター
サイフォンの導入を検討されている方、そして迷われている方は、
本記事でサイフォン式コーヒーを導入したあとの生活をイメージしていただければと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!