【最新機種】ダイニチ コーヒー豆焙煎機カフェプロMR-SVF60Bレビュー

【最新機種】ダイニチ コーヒー豆焙煎機カフェプロMR-SVF60Bレビューのアイキャッチ

おうちコーヒー焙煎歴10年目のでぃーんです。

家庭用コーヒー焙煎機の有力候補として、ダイニチ工業(Dainichi)の「カフェプロ」シリーズがあります。

エントリーモデルの熱風式全自動焙煎機として、MR-F60Aという機種がありましたが、

2025年9月に新型機の「MR-SVF60B」が発売されました。

SCAJ2024でご縁ができたダイニチ工業さんに、

ぜひ、新型の使い心地を試させてください!

とお願いし、レンタルさせていただきました。ありがとうございます。

新型機MR-SVF60Bは、従来機のMR-F60Aと比較して、選べる焙煎度が増えて、焙煎したコーヒーの味もレベルアップしていました!

従来機にもあった、以下の特徴はそのまま残されています。

  • 操作が簡単
  • 煙が出ない
  • 耐久性、信頼性が高い

カフェプロ最新モデルのMR-SVF60Bについて、使用方法や焙煎したコーヒーの味の詳細をレビューします。

焼き立てコーヒーが自宅で楽しめる!

目次

ダイニチ カフェプロMR-SVF60B(新型機)とMR-F60A(従来機)の違い

スペック比較

項目MR-SVF60B(新型機)MR-F60A(従来機)
電圧・周波数AC 100V 50/60Hz
消費電力1300W
生豆投入量60g
焙煎度8段階5段階
焙煎時間*約16~25分約25分
外形寸法高さ28cm×幅24.1cm×奥行18.6cm
重量約2.3kg
電源コード長さ1.3m
安全装置転倒自動停止装置、停電安全装置、室温異常自動停止装置、過熱防止装置
付属品計量カップ、お手入れブラシ

*冷却時間約10分を含む

新機種のMR-SVF60Bは、MR-F60Aの後継機種という位置づけです。

動作条件生豆投入量など、基本的なスペックはどちらも同じです。

大きく異なるのは、選べる焙煎度が5段階から8段階に増えていること。

これにより、より細かい焙煎度の煎り分けが可能になっています。

また、焙煎プロファイルが従来機と比較して大きく異なっています。

焙煎プロファイルのイメージ

出典:ダイニチ工業HP

焙煎プロファイルの監修者は、Japan Brewers Cup2022で優勝した小野 光さん。

新型機は従来機よりも、焙煎初期の火力が強く、温度上昇が早くなっています。

以下は私の考えですが、焙煎初期で火力を強くすることは、甘みを出すのに重要と考えています。

しかし、火力が強すぎると、生豆の水分が抜けきらずに渋味が出てしまうなどの弊害があります。

このトレードオフを解決したのが新型機のMR-SVF60Bで、実際に甘みのあるコーヒーが焙煎できました。

ダイニチ カフェプロMR-SVF60Bの特徴

カフェプロMR-SVF60Bは、家庭用コーヒー焙煎機として多くの優れた特徴があります。

私の感じた特徴を、順にご紹介します。

タップで該当箇所にショートカット

誰でも簡単にコーヒー焙煎ができる

詳細な使用方法は後述しますが、ボタンを押すだけで焙煎ができます。

そのため、特別な焙煎技術や知識がなくても、

MR-SVF60Bを買ったその日から誰でもおいしいコーヒーが焙煎できます。

焙煎中に煙が出ない

エスプレッソモードで焙煎中

通常のドラム式焙煎機や手網焙煎では、焙煎中にかなりの煙が出てきます。

しかし、このMR-SVF60Bではまったくと言っていいほど煙が出ません。

賃貸でも、アパートでも心置きなく焙煎できます。

実はこの煙が出ない理由は、ダイニチ工業さんの努力のたまもの。

十分な送風空気量を確保し、煙と匂いを分散させることで、

  • 煙が見えない
  • 匂いが濃縮しない

という特徴を実現しています。

しかも、多少の悪条件下(家庭での電圧降下、生豆量のバラツキなど)においても、

十分な機能となるように設計がされているそうです。この点は、安全性にもつながるとのこと。

家庭で使われる環境を、よく理解して作られている製品です。

大きすぎない運転音

焙煎中の音は、掃除機やドライヤーより小さいかな、という体感です。

  • 「ウー」という電気ストーブのような低い音
  • 「ゴー」という換気扇のような風切り音
  • 「カシャカシャ」と豆がこすれる高い音

が混ざったような音です。

焙煎中の動画を撮ったので、参考にしてみてください。

MR-SVF60B 焙煎中の動画

チャフ(薄皮)が飛び散らない

焙煎終了時の写真

手網焙煎や排気の付いていないドラム式焙煎機だと、生豆からチャフ(薄皮)が飛び散って部屋が汚れてしまいます。

しかし、MR-SVF60Bでは、チャフが飛び散ることなく集められる機構になっています。

そのため、チャフが溜まった部分は取り外しができるため、ゴミ箱に捨てるのも簡単。

チャフで部屋を汚すことはありません。

メンテナンスが簡単

毎回使用後に行うことは、たまったチャフを捨てるだけ。

汚れてきたら行う清掃も、洗剤で洗うだけ。

とても簡単なメンテナンスで済むので、気兼ねなくガンガン使うことができます。

メンテナンスが大変だと、片付けるのが面倒で使わなくなってしまうこともあるので、とても重要ですよね。

詳細は、メンテナンスの章でまとめました。

連続焙煎が可能

MR-SVF60Bでは、焙煎後の冷却が終了したら、すぐに次の焙煎を行うことができます。

他メーカーのコーヒー豆焙煎機だと、

焙煎後○○分おいてから次の焙煎を始めてください

という仕様になっていることが多いです。

連続焙煎が可能なことで、何種類かの生豆の焙煎を行うのにとても便利です。

生産からアフターサポートまで日本製で、高い信頼性

他の類似製品は中国生産のモノが多い中、MR-SVF60Bは生産、アフターサポートすべて日本で行っています。

以前SCAJにて、ダイニチ工業の焙煎機について

でぃーん

他社製品との違いは何ですか?

と、ダイニチ工業の技術者の方に伺ったところ、

耐久性、信頼性

を真っ先に挙げられていました。

MR-SVF60Bは、1日2回焙煎して約7年の耐久性であるとのこと。

熱を扱う製品ですから、耐久性・信頼性が確保されているのはとても安心です。

煙が出ない、耐久性・信頼性に優れた焙煎機!

ダイニチ カフェプロ MR-SVF60Bの使い方

MR-SVF60B_内容物

MR-SVF60Bの内容物はとてもシンプル。

焙煎釜にチャフコンテナと上フタを取り付けて使用します。

とても簡単にできる、焙煎の流れを解説します。

STEP
生豆を60g計量し、焙煎釜に投入

付属の計量カップすりきり1杯、60gの生豆を計量して焙煎釜に投入します。

すりきり1杯よりも多いのも少ないのもNGです。

生豆を投入したら、チャフコンテナと上フタを本体釜に取り付けます。

STEP
電源ON

本体の電源をONにします。

前後左右に30cm以上、上部に100cm以上の空白があることを確認してください。

STEP
焙煎度を選ぶ

SELECTボタンを押すことで、焙煎レベルが1段階ずつ上がります。

コーヒーの苦みを強くしたい時はD(Dark)寄り、酸味を強くしたい時はL(Light)寄りにします。

ESPRESSOを選ぶと、エスプレッソモードで焙煎できます。

エスプレッソモードは監修者が考案した、焙煎を深めながらも豆の風味を損なわず、エスプレッソ抽出でもおいしく飲める仕上がりとのこと。

実際、エスプレッソモードで焙煎したコーヒーは、甘みが強く、とてもバランスの良い味に仕上がりました。味についての詳細は後述します。

STEP
STARTボタンを押し、焙煎を開始

STARTを押して、焙煎を開始します。加熱約6~15分、冷却約10分で終了です。

もし途中で止めたい時は、電源ボタンを押せば冷却がスタートします。

焙煎が終了すると、「ピーピー」と音がして知らせてくれます。

STEP
焙煎完了!チャフを捨て、コーヒー豆を取り出す

チャフコンテナを取り外し、チャフをゴミ箱に捨てます。

排気口に詰まったチャフは、付属のブラシで簡単に取れます。

コーヒー豆を取り出したら終了です。

焙煎が終了し、チャフとコーヒー豆を取り出したら、すぐに次の生豆を投入することができます。

以上のように、特別な知識は必要なく、簡単に扱うことができます。

ダイニチ カフェプロMR-SVF60Bで焙煎したコーヒー豆を焙煎度ごとに比較

コーヒー豆焙煎機カフェプロMR-SVF60Bを使用して、生豆を全8段階の焙煎度で煎り分けてみました。

見た目と、カッピングによる味の違いを紹介します。

使用した生豆は、松屋珈琲のブラジル ショコラ エスペランサ。

ドリップもエスプレッソもおいしい、私のお気に入りの生豆です。

チョコレートのような甘味が特徴

焙煎度ごとのコーヒー豆をレビュー

タップで拡大

焙煎前後の豆の重さと重量比

焙煎度焙煎前焙煎後
L160.0g52.6g87.7%
L260.0g52.1g86.8%
M160.0g51.6g86.0%
M260.0g51.0g85.0%
M360.0g50.0g83.3%
D160.0g49.2g82.0%
D260.0g48.8g81.3%
エスプレッソ60.0g50.9g84.8%

L1(浅煎り)からD2(深煎り)まで、徐々に豆の色が暗くなっていることがわかります。

また、焙煎度が深いほど水分等が抜けていくので、焙煎後の豆の重さも徐々に少なくなっています。

見た目と重量変化から、キレイに段階的に焙煎度が変わっていることがわかりました。

エスプレッソモードの焙煎度は、M2より若干深いくらいです。

各焙煎度でコーヒー豆がハゼた焙煎時間は以下の通り。

焙煎度ごとのハゼ開始時間

焙煎度1ハゼ2ハゼ
L16分11秒
L25分45秒
M16分00秒
M28分30秒
M37分45秒
D16分55秒11分35秒
D211分00秒13分20秒
エスプレッソ6分55秒

ハゼの開始時間は生豆の種類によっても変わると思いますので、参考程度にみてください。

それぞれの焙煎度で1ハゼの開始時間は異なっていました。

また、2ハゼはD1とD2のみ確認できました。

焙煎度としては、シナモン(L1)~深めのフルシティ(D2)くらいと思います。

焙煎直後に油がテカテカになるような、極深煎りはできません。

エスプレッソモードと、焙煎度の近いM2を比較すると、エスプレッソモードの方が早い1ハゼ開始時間でした。

カッピングによる香り、味のレビュー

それぞれの焙煎度のコーヒー豆に関して、カッピング方式で香り、味を確認しました。

豆の種類が違うと、印象が変わる可能性があるので、ザックリとしたイメージとしてご覧ください。

カッピングの条件

  • 豆の量:10g
  • 挽き目:中挽き(EK43S #12)
  • 湯温:約100℃(沸騰したて)
  • 湯量:170g
  • 4分後、ブレイクしてテイスティング

カッピングの結果

焙煎度香り酸味苦み甘み
L1
L2
M1
M2
M3
D1
D2
エスプレッソ

味の感想

焙煎度味の感想
L1香りは抜群に良く、酸味が強く苦味はほぼ無い。ブラジルの生豆では、若干青臭さを感じた。
L2香りが非常に良い。酸味が勝っているが、ほんの少しだけ苦みを感じた。
M1酸味が強いが味のバランスが取れている。浅煎りを試すなら、この焙煎度が無難な印象。
M2酸味と苦みどちらも感じ、バランスがちょうど良い。
M3この焙煎度から、明らかに苦みの方が強く感じるようになる。
D1おいしい中深煎りという味。酸味はほぼ無く、苦味が主体だが、甘みも感じる。
D2D1よりもさらに苦味が強くなる。アイスコーヒーなどにオススメ。
エスプレッソ酸味と苦みのバランスが良く、最も甘みを感じた。

浅煎りは甘い香り、深煎りは香ばしい良い香りがしました。焙煎したては香りがいいですね。

M2がもっとも味のバランスが良いので、まずはM2で焙煎し、酸味と苦みどちらに寄せたいか考えると良さそうです。

L1、L2に関しては、キレイな酸味が特徴のスペシャルティコーヒー向きの焙煎度と思います。

深煎りが好きな方は、苦み主体になるM3以上の焙煎度がオススメです。

エスプレッソモードは見た目通り、M2と同様バランスの取れた味でしたが、甘みが強く出ていました。

これだけのバリエーションの焙煎度を全自動で焙煎できるのに、入手しやすい価格なのはMR-SVF60Bならではだと思います。

コスパ最強の焙煎機

ダイニチ カフェプロMR-SVF60Bで焙煎した豆のエスプレッソ抽出レビュー

せっかくなので、MR-SVF60Bのエスプレッソモードで焙煎したコーヒー豆を使って、本格エスプレッソを淹れてみました。

抽出条件

  • 焙煎度:エスプレッソモード
  • 豆量:19g
  • マシン:SANREMO CUBE R
  • 湯温:93℃
  • 抽出量:40g
  • 抽出時間:24秒

クレマがしっかりできて、バランスの良い味のエスプレッソが淹れられました。

スチームミルクを入れると、ミルクチョコレートのようなカフェラテになりました。

ラテアートもバッチリ

もちろん、エスプレッソモード以外の焙煎度もおいしいエスプレッソ、カフェラテが淹れられます。

同じ豆でも、色々な焙煎度のコーヒー豆を作って試すことができるのは、自家焙煎ならではです!

ダイニチ カフェプロ MR-SVF60Bのメンテナンス

カフェプロ MR-SVF60Bに必要なメンテナンスを紹介します。

メンテナンスもとてもお手軽なので、気兼ねなく使うことができます。

参考:MR-SVF60B 取扱説明書

本体、吸気口

本体が汚れてきたら、柔らかい布でからぶきします。

また、吸気口にほこりがついてきたら、柔らかい布でからぶき、もしくは掃除機で吸い取ります。

上フタ、チャフコンテナ

使用のたびに

排気口、および内側に付着しているチャフなどを、付属のブラシで取り除きます。

焙煎運転の5回に1回程度

排気口に付着するコーヒー油を取り除くため、中性洗剤を現役のまま排気口に数滴たらし、十分になじませます。

その後、歯ブラシなどで排気口の内側と外側をこすってコーヒー油を取り除きます。

最後に、洗剤が残らないようしっかり水道水ですすいで、水分をふき取ります。

汚れがひどいとき

ぬるま湯1Lに対してアルカリ洗剤(推奨:セスキ炭酸ソーダ10g)を溶かし、上フタとチャフコンテナを半日~1日程度漬けます。

その後、歯ブラシなどで排気口の内側と外側にに付着しているコーヒー油を取り除きます。

最後に、洗剤が残らないようしっかり水道水ですすいで、水分をふき取ります。

焙煎釜

焙煎釜は黒くなっても焙煎に影響はないので、そのまま使用できます。

誤って異物が入ったときは、取り除いてください。

また、汚れたときは柔らかい布でふき取ってください。その際、焙煎釜や温度センサーに強い力がかからないよう注意です。

液体が入った時は、使用を中止して販売店に相談してください。

まとめ

ダイニチ工業の家庭用コーヒー豆焙煎機 カフェプロMR-SVF60Bについて、オススメな人とそうでない人をまとめます。

オススメな人そうでない人
手軽に色々な焙煎度でコーヒー焙煎をしたい
煙の出ない焙煎機が欲しい
チャフが飛び散らない焙煎機が欲しい
耐久性・信頼性を重視する
メンテナンスが簡単な焙煎機が欲しい
直火式焙煎の味が好き
焙煎技術を極めたい
コーヒーの香りが苦手な家族がいる

カフェプロMR-SVF60Bは、ボタン一つで8種類の焙煎度に煎り分けることができるので、

手軽に色々な焙煎度でコーヒー焙煎をしてみたい方にはピッタリです。

また、煙が出ず、チャフが飛び散らないので、部屋を汚さず焙煎することができます。

日本産で耐久性・信頼性を重視した設計がされており、長く使えることも大事なポイントです。

カフェプロMR-SVF60Bは熱風式焙煎機ですので、コクはしっかりありながらもクリアなコーヒーに仕上がります。

もし、より香ばしい香り、コク深い味がお好みの方は、同じくダイニチ工業の電気ヒーター直火式コーヒー豆焙煎機 MR-102がオススメです。

喫茶店やカフェでの使用実績もあるほど本格的な焙煎機で、12段階の焙煎度が選べます。

もちろん、使い方はボタンを押すだけで簡単にできます。

以下の記事でレビューしていますので、参考にしてみてください。

もし火力や排気を自由に調整して焙煎技術を極めたい方は、より細かく調整が可能な焙煎機を選ぶことをオススメします。

家庭でも使える小型焙煎機の選び方は、他の記事でまとめているので参考にしてみてください。

小型焙煎機の選び方

オススメのガス式 小型焙煎機

焙煎のことを学びたい方向けの本

どの焙煎機にも言えることですが、コーヒー焙煎をするとコーヒーの香りが部屋中に広がります。

コーヒーの香りが苦手なご家族がいらっしゃる場合は、よくご相談の上で焙煎を検討してください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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