自宅では電動ミルを使っている方も、
キャンプや旅行などに手軽に持っていけるコーヒーミルはないだろうか…
と探したことはないでしょうか。
わたしもその一人で、以下のような条件で考えていました。
- 持ち運びやすい手動ミル(小型・軽量)
- アウトドアで使っても清潔に保てる
- 挽いたコーヒーがおいしい
小型のミルも色々な種類がある中で、2024年にポーレックス(porlex)から、
ミルとしての性能が向上した最新製品
ポーレックス コーヒーミル プロフェッショナル
が発売されました。
今回、持ち運びに便利な「ミニ」モデルをご提供いただきましたので、
その特徴や実際にドリップ、エスプレッソに使ってみた感想をレビューします!
持ち運びに便利!なだけでなく、エスプレッソにも使えました。
ポーレックス(porlex) コーヒーミル プロフェッショナル ミニの特徴
2024年に発売されたポーレックスの最新コーヒーミル。
結論、以下が魅力的であると思いました。
- 小型・軽量
⇒持ち運びに便利 - すべてのパーツが水洗い可能
⇒清潔に保てる - なめらかな挽き心地
⇒疲れづらい - 粉残りが少ない
⇒前に挽いた豆が混ざりづらい - 細かい粒度(メッシュ)の調整が可能
⇒味の調整がしやすい - 日本製で、部品ごとの購入が可能
⇒長く使える
順に解説します。
小型・軽量
持ち運ぶのに必須ともいえる機能です。
サイズ感を500mlのペットボトルと比べてみると以下の通り。
高さは2/3くらい、幅は同等以下と非常にコンパクトなことがわかります。
ポーレックス コーヒーミル プロフェッショナル ミニの仕様
寸法 | 直径4.9cm×高さ13.5cm |
重量 | 267g |
挽ける豆の量 | 20g |
重量は267gと、軽くて持ち運びに適しています。
また、豆の量一度に20g挽けます。
20gというのはとてもちょうどよくて、
- 2杯分のドリップコーヒーを入れる
- ダブルのエスプレッソを入れる
という使い方にも対応できるので気に入っています。
すべてのパーツが水洗い可能
アウトドアでコーヒーミルを使う場合、砂埃がつく場合があります。
そのため、水洗いが出来ればミルを清潔に保てるので安心です。
通常、ステンレス刃のコーヒーミルは水洗いできませんが、
ポーレックスはセラミック刃を採用しているので、
刃も含めてすべてのパーツを水洗いできます。
アウトドアはもちろん、普段のお手入れでも水洗いできるのでカンタン・清潔です。
なめらかな挽き心地
2024年発売の「ポーレックス プロフェッショナル」は、
新しくセラミック刃にガラス加工がされています。
テカテカ・ツルツルな刃
このガラス加工により、従来品よりもさらになめらかな挽き心地を実現しています。
中煎り10gのコーヒー豆を挽くのにかかった時間は、中挽きで31.3秒。
途中で引っかかることなく挽くことができました。
粉残りが少ない
前回挽いた豆の粉がミル内に多く残っていると、味が落ちる原因になります。
入れた豆の量に対して、挽いた豆の量がどのくらいか測定してみました。
様々な挽き目で粉残りを調査
挽き目 | 投入量 | 挽いた後の粉量 | ロス |
---|---|---|---|
#27(ドリップ) | 15.1g | 14.9g | 1.3% |
#34(ドリップ) | 13.0g | 12.9g | 0.8% |
#37(ドリップ) | 13.0g | 12.9g | 0.8% |
#3(エスプレッソ) | 19.4g | 19.1g | 1.5% |
様々な挽き目、投入量に対して測定してみましたが、
いずれもロス1%前後と非常に粉残りが少ないことがわかりました。
細かい粒度調整が可能
これまでの「ポーレックス ミル2」では18段階の粒度調整幅でしたが、
「プロフェッショナル」では60段階と大幅に改善されています。
1クリックで28μm単位の調整が可能だそうです。
髪の毛の太さは約80μmなので、かなり細かい調整ができることがわかります。
とても細かい調整が可能になったことで、
ドリップコーヒーの味調整がしやすいことはもちろん、
エスプレッソの調整にも対応できるようになっています。
日本製で、部品ごとの購入が可能
ポーレックスコーヒーミルは、
鹿児島県霧島の工場で生産されている、日本製です。
また、すべての部品はポーレックス社に問い合わせることで、個別に購入が可能です。
安心して長く使うことができます。
0(ゼロ)点調整と挽き目(メッシュ)
ポーレックス コーヒーミル プロフェッショナル ミニの挽き目(メッシュ)の紹介をしていきます。
挽き目を決める基準となる、0(ゼロ)点調整の方法も解説します。
0点調整の方法
説明書には、
内刃と外刃が隙間なく、触れている状態が0(ゼロ)
と書かれていますが、「触れている状態」を判断するのが難しく感じました。
そこで私は、以下の方法で0点を合わせました。
内刃と外刃を指で押さえながら、調節ネジを時計回りにまわして締めます。
この時、ネジが簡単に回らないと感じるくらい固くなるまで締めます。
今度は内刃、外刃を押さえずに、調節ネジを反時計回りにまわします。
調節ネジを回した際、「カチ、カチ」とクリック感が無い場合、もう一度STEP1の要領で締めなおします。
反時計周りに「カチ、カチ」と回していくと、調整ネジを回す力で内刃が(外刃とこすれながら)回り始めます。これを0点とすると、ブレが少なくて良さそうでした。
挽き目
前述の方法で0点を合わせた場合、挽き目と対応する抽出方法は以下のイメージです。
挽き目と対応する抽出方法の目安
挽き目 | 抽出方法の例 |
---|---|
#3(極細挽き) | エスプレッソ |
#9(細挽き) | モカエキスプレス(マキネッタ) |
#36(中粗挽き) | ドリップ |
#3(極細挽き)
#9(細挽き)
#27(中挽き)
#36(中粗挽き)
#45(粗挽き)
幅広い挽き目に対応できることがわかります。
ポーレックス プロフェッショナル ミニで挽いたコーヒーの感想
ポーレックスコーヒーミルで挽いた3種類のコーヒーについて、感想をまとめます。
- 中煎り・ドリップ(酸味系)
- 中深煎り・ドリップ(苦味系)
- 中深煎り・エスプレッソ
どんな味のコーヒーが入れられるのか、ぜひ参考にしてください!
中煎り・ドリップ(酸味系)
- 豆量:13g
- 挽き目:#34
- ドリッパー:ハリオV60 -01
- 湯温:90℃
- 抽出量:210g
- 抽出時間:2分20秒
ジューシーな果実感を特徴とする、コロンビア産ピンクブルボン種のコーヒーです。
甘味と良質な酸味がしっかり出ていておいしいコーヒーが淹れられました。
また、苦み、雑味はほとんどありません。
後味はキレがある、というよりは複雑な後味が長く続きました。
中深煎り・ドリップ(苦味系)
- 豆量:13g
- 挽き目:#37
- ドリッパー:ハリオV60 -01
- 湯温:82℃
- 抽出量:180g
- 抽出時間:1分40秒
同じコロンビアですが、こちらは酸味はほとんど感じない、
コク・甘味・苦み重視なコーヒーに焙煎したものです。
深煎りの甘み、コクが出ていておいしいコーヒーが入れられました。
苦みも出ていますが、味に奥行を出している感じがします。
キレの良いスッキリした後味を実現するのは難しそうですが、
苦くて甘い後味が続く深煎りが好き!という人にはピッタリの味と思います。
中深煎り・エスプレッソ
- 豆量:19.4g
- 挽き目:#3
- マシン:SANREMO CUBE R(E61、ロータリーポンプ)
- 湯温:93℃
- 抽出量:40g
- 抽出時間:31.8秒
実は一番驚いたのが、このエスプレッソ抽出です。
チャネリング(お湯が均一に通らない現象)の発生もなく、
良い粘度のエスプレッソが抽出できました。
エスプレッソ抽出中
試しに、世界大会でも使用される電動グラインダー「EK43S」で、
同じ条件になるように調整して抽出してみました。
比較した写真が下記ですが、クレマがしっかり出ていて、見た目の大差なく抽出できています。
砂糖を入れて飲んでみると、ダークチョコレート感が楽しめました。
ポーレックスプロフェッショナル、EK43Sと比べても遜色ないエスプレッソが抽出できそうです。
ドリップからエスプレッソまでイケました
メンテナンス方法
メンテナンスとしては、定期的に分解・清掃が必要です。
ミルの中に残った粉をそのままにしておくと、雑味の原因になるためです。
使う頻度にもよりますが、1日1回使った場合、週1くらいで大丈夫な印象でした。
分解は順に外すだけなので簡単。以下で流れを紹介します。
内刃を押さえながら調節ネジを緩める方向に回し続けると、いつか「カチ、カチ」と言わなくなり、調節ネジが外れます。
調節ネジが外れると、内刃が外れます。
外刃も簡単に外れます。
刃は歯ブラシで、その他は柔らかいスポンジを使って水洗いします。よく乾燥させたら終了です。
分解したのと逆にパーツを戻すだけです。決まった場所にしかはまらないよう、突起と溝があるので合わせて組み立てていきます。
注意点
エスプレッソ用の極細挽きをすると、
以下の写真のように細かい粉が刃に詰まります。
#3(極細挽き)使用直後の写真
この状態でドリップなどに使うと、雑味が出てくる可能性があるので、
ブラシで粉を軽く落としてから使うと良いです。
まとめ
ポーレックス コーヒーミル プロフェッショナル ミニがオススメな人、そうでない人をまとめます。
オススメな人 | そうでない人 |
---|---|
小型・軽量のミルが欲しい アウトドアでも使いたい エスプレッソにも使いたい コクのある複雑な味わいが好き | スッキリとキレのある後味が好き |
やはり旅先でも挽きたてのコーヒーが飲みたい方にオススメです。
水洗いができるので、キャンプなどアウトドアにも清潔に使用できます。
エスプレッソがEK43Sと遜色なく入れられるのは驚きました。
カフェラテやアフォガードなど、いろいろなアレンジにも使えそうです。
ドリップでの味の傾向としては、スッキリとキレのある後味というより、コクのある複雑な味わいになります。
ポーレックスのミル、外でもガシガシ使っていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!